「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、この夏『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されます。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

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老いた親が自分のことを若いと勘違いしているとき
あなたならなんて言う?

【老いた親がムチャをしたときのNG声かけ】
お父さんも歳をとったんだから、あまり無理しないでよ

「歳をとったんだから」に続く言葉が「無理しないでよ」なので、子どもは「年甲斐もないことをしないでよ」といったメッセージを伝えたいのでしょう。歳をとった親を心配しているのですね。

 しかし、この言葉を聞いた親は、どんな気持ちになるでしょうか。もしかしたら「まだ元気だ」「年寄り扱いするな」などと思う人が多いかもしれません。

 この何気ないひと言は、ふくよかな人に「あなたはデブですね」と伝えているのと同じです。間違ってはいませんが「だからなに?」と思うはずです。「侮辱された」と受け取られることもあるでしょう。心配の気持ちが相手に伝わらないのはとても悲しいことです。