高齢の親がエアコンを使いたがらない「本当の理由」

 どういうことかというと、高齢者がエアコンを使わない理由は主に「電気代がもったいない」と「夏に暑いのは当たり前」という感覚がしみ込んでいるのです。言うなれば昭和の感覚です。

 しかし、これは親世代にとっては当然の感覚なのです。もし救急搬送されることになり、まわりに迷惑になると理解していても、「自分だけはそんなことにはならない」と本気で思っています。そのため、エアコンを使わないことへの違和感は感じていません。

 皆さんはスナック菓子のポテトチップスを食べる時に箸を使いますか? 現代の若い世代の方々(Z世代以下)は、箸を使って食べることもあるそうです(スマホなどの操作で指を汚したくないため)。私たちからすると違和感がありますよね。

 こういった世代間の感覚の違いというのは、いつの世にも生じるものです。ですから、今回のように危機感を伝えるにしても「いまどき、エアコンを使わないなんておかしいよ」という意識で言葉を発するのはおすすめではありません。というよりも、皆さんの心配が親に伝わらず、ストレスが溜まるだけです。