「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、この夏『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。今回は出版を記念して著者の萩原氏によるオリジナル記事をお届け増します。

親子Photo: Adobe Stock

高齢の親の食が細くなっている

高齢の親の食が細くなっているときの伝え方
【NG】「夏バテするからちゃんと食べなきゃダメだよ」
【GOOD】「最近夏バテなのか食が細くなっちゃってね…。お母さんはどんな感じ?」

 近年の日本は体温を超える記録的な猛暑が続いていています。高齢の親と離れて暮らしている場合、健康状態が心配になりますよね。

 しっかりと栄養を摂ってもらいたいところですが、私たち自身も、夏バテして食べられないときってありませんか?

 もし、そんなタイミングで「しっかり食べなさい!」と強く言われたらどう思うでしょうか。「そんなこと言われても食欲がないんだよ!」と反発したくなりますよね。

 これは親も同じです。健康面、精神面ともに相手がどんな状態なのかわからないときは、いきなり指示を出す伝え方は控えるのがおすすめです。

 まずは状態の把握を試みましょう。その場合も、「今どうなの?」というような「尋問」と受け取られる伝え方ではなく、相手が答えたくなるような雰囲気でたずねると効果的です。