10倍株=テンバガーの達成は、つねに業界トップの銘柄を狙うだけでは難しい。大切なのは、いま現在の値動きだけでなく過去の値動きもチェックして、株価が上昇し始めるタイミングの傾向を知ることだ。資産運用に精通した筆者が、個人投資家に向けて銘柄探しの極意を伝授する。※本稿は、足立武志『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。
ジェットコースターの気分で
上下動する株に狙いをつける
株価が10倍に上昇するテンバガー株。やみくもに狙ってもなかなかつかめません。重要なのは「候補の見つけ方」と「地合い」(個別銘柄や相場の状況、環境、値動き)です。
まずテーマ株についてです。テーマ株でのテンバガーは、ほんの数カ月程度で達成することがあるので、もし乗ることができれば非常にラッキーです。ただし、高値掴みを防ぐため、「株価上昇の初動をつかむ」ことと、「損切りを徹底すること」が求められます。
例えば、2020年2~3月のコロナショックの際は、「新型コロナウイルスのワクチンを開発しそうなバイオベンチャー」と当たりをつけ、株価が上昇を始めたらすぐに乗る、ということができれば、その後の株価急上昇の恩恵を受けることができました。
しかしながら、すでに株価が短期間で大きく上昇してから買うと、もちろんそこから株価がさらに上昇することもありますが、早晩天井をつけて急落してしまう可能性も高まります。
株価が短期間に急騰した銘柄の全てが、株価5倍、10倍に発展するわけではありません。逆に、テンバガーを達成する銘柄よりはるかに多い数の銘柄が、数日株価が急上昇したあとは天井をつけ、大幅な下げに転じてしまうのです。
もし短期急騰時に飛び乗るのであれば、どうなったら損切り・撤退するかのルールを決め、それを必ず守ることができる人だけ実行するようにしましょう。