千葉科学大学の薬学部「6年後の廃止」が濃厚、公立化の条件に学部リストラ大学本部まで銚子駅からバスで13分と遠い Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 もはや薬学部廃止は必至だ。千葉県銚子市にある千葉科学大学である。

 周知のように、千葉科学大は故・安倍晋三元首相の親友である加計孝太郎氏が経営する加計学園グループの大学。元岡山県副知事で加計学園の岡山理科大学の客員教授だった野平匡邦氏が「過疎地対策として大学を誘致する」と公約を掲げて市長選に立候補して当選。市長就任後、市が77億5000万円の借金をして用地を確保、無償提供して誘致。20年前の開学式には当時、官房副長官だった安倍氏が駆け付け、10周年記念式典には安倍首相(当時)が祝辞を寄せた。自民党旧安倍派の5人衆である萩生田光一前政調会長が落選、浪人として過ごした時期には客員教授をしており、永田町では“安倍派の大学”と呼ばれる大学だ。

 そんな有名大学が23年10月、銚子市に公立化を要望。「受け入れなければ撤退する」と迫ったのだ。越川信一市長は学識経験者と公的団体代表からなる「公立大学法人化検討委員会」を設け、種々検討してきた。7月末に開かれた第4回検討委員会で、加計学園の公立化要望に対する回答の骨子をまとめた。その内容は、そのまま経営してもらうという希望だが、公立化する場合は2学科だけにスリム化する、という素案だ。今月末の検討委員会で市に回答するが、いずれにしても薬学部は廃止の方針だ(編集部注:委員会は8月25日に市長へ答申を提出した。)。