新・理系エリート#24Photo:PIXTA

無尽蔵に薬学部を新設してきた結果、全国で「定員割れ」の薬学部が続出している。入学者数が募集定員に満たない、すなわち学生から選ばれない不人気な大学は?『新・理系エリート』(全59回)の#24では、2023年度入試における全国79薬学部の「入学定員充足率」ワーストランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

学生に選ばれない不人気な大学は?
入学定員充足率」ワーストランキング

 薬学部に6年制が導入された2006年当時、薬学部は61大学62学部。それが21年度には77大学79学部まで増加。特に私立大学で顕著に増え、44大学45学部だったものが58大学60学部になった。

 少子化が進むにもかかわらず、なんの制限も設けずに新設や定員増が行われてきた結果、案の定、私立大学で入学者が募集定員に満たない「定員割れ」の薬学部が続出。さらに、24年4月には順天堂大学、国際医療福祉大学に薬学部が新設されるのだから、狂気の沙汰である。

 定員割れは、本特集#22『全57私立大薬学部「淘汰危険度」ランキング2023年最新版!2位は加計学園母体で話題、1位は?』で示した淘汰リスクに直結する。学生が集まらなければ当然、入学金や学費による収入が減り、大学の財務悪化を招くからだ。

 学生から選ばれない、不人気な大学はどこか。次ページでは、23年10月に文部科学省より公表された最新の資料を基に23年度入試における全国79薬学部の「入学定員充足率」ワーストランキングを公開。充足率100%以下、つまり定員割れの大学は実に32薬学部と4割に上り、ワースト1位の大学では、なんと入学者数が募集定員の1割を切っていた。