夏休みが終わればいよいよ入試に向けての仕上げの時期にはいってきます。どのようにして最終的な志望校を確定するのか、過去問はどのように進めればよいのか? 塾がお膳立てしてくれる最難関校はともかく、それ以外の学校を志望している子の親御さんは意外に情報がないといいます。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。
過去問は「赤本」で解くだけでは不十分
赤本は全体を俯瞰して志望校の傾向を知るためには非常に使い勝手が良いのですが、規定のページ数に収めるために再レイアウトされているのが普通ですから、本書P.123でもお話したように、実際の入試問題と見た目が大きく異なります。
子どもが本番で力を発揮するためには、志望校の入試問題のレイアウトと解答用紙に慣れておく必要があります。同じ問題でも、見た目や解答用紙の記入欄のサイズが異なるだけで子どもは平常心を失います。
過去問を解く時は、本来は赤本のコピーでなく、本物の入試問題を使うのがベストです。
特に国語は、赤本では文章が2段組みになっているため読みやすいのですが、実際は段で仕切られていない場合が多く、視線の動きが変わり、問題処理速度に影響します。
本物の入試問題・解答用紙を見るには
本物の入試問題・解答用紙は学校説明会で無料で配られたり、販売していたりなど様々ですが、最新年度のものしか入手できない場合が多いです。
そこで便利なのが「四谷大塚中学入試過去問データベース」(登録無料)。本物の入試問題・解答用紙をスキャンしたものと解答(解説なし)が掲載されており、家庭でプリントアウトすることができます。学校によっては全科目が揃っておらず、掲載年数にもバラツキはありますが、非常に使い勝手のいいサイトです(ただし、国語は著作権の関係で掲載されていないことが多い)。
印刷する際には、少々注意が必要です。家庭のプリンターだと大抵セットされている用紙サイズはA4。そのA4サイズのままプリントアウトされるご家庭が多いですが、実際の入試問題はB4サイズだったりA3サイズを半分に折ったものだったりします。手間にはなりますが、本当のサイズがわからなければ学校に問い合わせ、コンビニなどで必ず実際のサイズに拡大しましょう。
ちなみに、「武蔵」や「ラ・サール」は算数の問題が手書きで、活字に慣れた受験生はとまどうことが多いようです。入試問題の見た目に既視感を持っておくことは非常に大切です。このひと手間、ふた手間で子どもの本番での緊張度合いやパフォーマンスが大きく変わってきます。
*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。