シビアな話こそ、急がば回れ

 ですからまずは、思い出話から入るようにしてみてください。そのうえで、「免許返納」の話題に移ってください。その際、「不便にならないよう手助けすること」を伝えましょう。

 たとえば「いつでもタクシーを手配するよ」「買い物には付き添うよ」などです。この二段階を踏むことで、免許返納を現実のこととして検討してくれるはずです。

 親に事故を起こしてほしくないと結論を焦る気持ちは本当にわかります。しかし、こういった話こそ、急がば回れの意識が大事です。今回ご紹介した言いかえ例だけが正解ではありませんが、免許返納に成功した家庭の多くは、親自らが免許返納をしたくなるコミュニケーションをとっています。

 親子のあり方によって伝える言葉は違うと思いますが、皆さんが親の思いも尊重しながら話し合えば、きっとその思いは親に伝わります。

 ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。