衆院本会議で、日本維新の会の中司宏幹事長の代表質問に答える高市早苗首相衆院本会議で、日本維新の会の中司宏幹事長の代表質問に答える高市早苗首相=2月24日、国会内 Photo:JIJI

衆院選で与党が大勝し、食料品の消費税率を2年間ゼロにする公約の検討が国民会議で本格化する。だが、物価・金利上昇局面では税収増が先行する一方、調達費や国債費など歳出も遅れて膨らむ。一律給付との比較や中小事業者負担も含め、財政の信認を損なわない設計が問われる。(大和総研金融調査部主任研究員 是枝俊悟)

物価や金利の上昇過程では
税収増が先行し歳出増は後から

 2月8日に投開票が行われた衆議院議員選挙では、与党の自由民主党と日本維新の会が総議席の3分の2を上回る352議席を獲得した。

 与党は衆院選の公約で、食料品の消費税率を2年間に限りゼロとすることにつき、「『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速」するとしていた。国民会議で検討すべき論点は、大きく三つある。

 まず一つ目の論点は、そもそも大規模な財政負担が許容されるのかという点だ。2026年度の政府当初予算案ではプライマリーバランス(基礎的財政収支)が黒字化しており、一見すると財政に一定の余裕があるようにも見える。

 しかし、経済の正常化に伴い物価や金利が上昇する局面では、税収が先行して増える一方で、少し遅れて歳出も増えていく。例えば、公共事業などの調達費は物価上昇の影響を受けやすく、社会保障費も賃金・物価、さらには高齢化の進展に連動しやすい。加えて、金利上昇は国債費(利払い費)の増加につながる。

 当初予算では不足分を補正予算で手当てする前提で、一定の支出を補正予算に回している可能性もある。税収が増えたといっても、歳出側の増加要因を差し引いて考えれば、見た目ほど余裕は大きくない。

 次ページでは、消費税率引き下げの財政面でのデメリットをさらに掘り下げるとともに、議論すべき他のポイントを取り上げる。