「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋・再編集してお届けします。

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「親に免許返納してほしい」あなたならなんて言う?

【免許返納の相談をしたいときのNG声かけ】
「そろそろ免許返納したら?」

「そろそろ免許返納したら?」は、歳をとった親が車の事故を起こさないようにと心配する思いから出る言葉です。高齢ドライバーによる「アクセルとブレーキの踏み間違い」などの事故が発生していますから、気がかりなのも理解できます。

 しかし、車は高齢者にとって「大切な日常の足」でもあります。スーパーや病院の往復に使う「便利な道具」をみずから放棄しなければいけないのは、精神的な負担が大きいことです。

 ですから、親が感じる喪失感に思いを馳せ、共感することが大切です。いきなり本題から入るのはおすすめしません。