ルイ・ヴィトンやエルメスを
失ってしまうかもしれない

 2022年11月11日のセブン&アイ臨時取締役会で示されたのは北ゾーンを中心に3割をヨドバシにする案だったようだが、結局、中央ゾーンも低層階を中心にヨドバシが入るとされていた。

 フォートレス陣営は「話し合いの余地はない。これで決定です」と話したという。

 もしこのプランが実行されれば、もっとも集客力のある北ゾーンと、中央ゾーンの低層階を失い、池袋本店の大きな魅力のひとつであるルイ・ヴィトン、エルメスなどのハイブランドも失うことになるかもしれない。

 井阪社長から4者会談の場で「ヨドバシカメラが入るにしても低層階を占めるなどということはありません。組合員の皆さまにも、機関紙を通じてぜひそれを伝えてください」と言われていたが、この話も結果的に事実とは違った。「現時点で決定事項はない」という言い方で、その後どうなっても言い訳できるように逃げ道を残していたのだ。

「日本第3位」のデパートの座から転落し、お取引先さまから見た魅力も半減どころではないだろう。影響は他店にも及ぶ。2016年にそごう神戸店を営業譲渡したあと、大津店や西神店、徳島店など関西の店舗は軒並み営業力を落とし、結果的に営業終了に追い込まれた。