気温はすでに30度を超え、アスファルトの照り返しも厳しかったが、組合員の高揚感がビリビリと伝わってきた。私たち「アベンジャーズ」の6人にもカメラが向けられたが、各労組の委員長たちは誰1人臆することなく、堂々と歩きつづけてくれた。

 明治通りを池袋駅方面に進み、駅前の東口五差路交差点まで来ると、後方にストライキで休館中のイケセイ(編集部注/西武池袋本店)が見えてくる。このもっとも写真映えするスポットで、多数のカメラマンが待ち構えていた。マイクを持ったアナウンサーもいる。この場所からデモの様子を中継するということだろう。

 サンシャイン60通りを東へ進んで、出発地の公園に戻るまでのあいだ、「頑張れよ!」という応援の声、拍手、写真を撮り、手を振ってくれる大勢の方を目にした。

 ひょっとすると石を投げられるかもしれない、罵声を浴びせられるかもしれない――そう思っていたが、ヤジの声ひとつなく、街の人たちはわれわれに好意的に感じられた。

「割石さん、これ」

 ハンドマイクでアピールしながら先頭を歩く割石に、信号待ちの際、高島屋労組の役員からそっとペットボトルが手渡される。西嶋委員長の気遣いだった。

 その横では、三越伊勢丹の菊池史和委員長がライブでSNS発信している。