デモの隊列で割石健介(編集部注/そごう・西武労働組合副委員長)の後ろに6人の労組委員長が並ぶと、執行部のメンバーが「アベンジャーズみたいや!」と声を上げた。この日の夜の民放テレビのニュースでも、隊列に各百貨店労組名のテロップを入れて報じたところがあったようだ。

 公園には多くのメディアが集まり、カメラを手に待ち構えていた。デモ行進の前に取材に応じる予定はなかったが、「いまコメント出さないと混乱するから、どこかで一度集まってぶら下がり取材を受けたほうがいいですよ」と面識のある記者から言われ、やむなく簡単に取材を受けた。

 酷暑のなか、割石を先頭に約300人のデモ隊が公園を出発した。池袋警察署員がデモの周囲を固め、先頭を歩く割石の前には10人近いカメラマンが張り付いて後ろ向きに歩きながら撮影している。

 出発地点の東池袋中央公園から首都高速5号線の下を走る国道254号線を北へ進み、川越街道の起点の六ツ又交差点を明治通りへ左折する。

ストライキ決行中の店舗が
デモの写真映えスポット

「池袋の地に、百貨店を残そう!」

「西武池袋本店を守ろう!」

「日頃からご利用いただいているお客さまに、これからも、お買い物を楽しんでいただきたい」

 拳を突き上げ、のぼりを振り、プラカードを誇示した。