「皆さん、今日の活動はですね、諦めて、投げやりでやる活動ではないというふうにボク自身は思っています。むしろ逆で、永遠に扉が開けられないということにならないように今日1日頑張るということだと思っています」

 そんな簡単な挨拶に、割れるような拍手をもらった。

競合している百貨店の
労働組合も参加した

 今日も高島屋(「高」ははしごだか)、三越伊勢丹、大丸松坂屋、阪急阪神、そしてクレディセゾンの労組委員長が応援に駆けつけてくれている。ゼンセン(編集部注/UAゼンセン:「全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟」の略称。繊維、アパレル、化学工業、工業、食品、流通、サービスなどの産業分野の労働組合を束ねる)からは今日のストライキは「単組判断で」と通告され、デモ行進で他労組の応援はできるだけ目立たないようにという要望もあった。

「皆さん、今日はありがとうございます。皆さんには列の最後尾で歩いていただき、できるだけ前に出ないように、テレビ画面に映らないようにしますので、それでいいですか」

 その瞬間の西嶋秀樹委員長(編集部注/全高島屋労働組合連合会)の渋い笑顔は一生忘れない。

「何言ってんですか寺岡さん。水臭い。先頭に決まってるじゃないですか。全員で先頭一緒に歩きましょうよ!」

 ほかのメンバーも即座に同意してくれた。

「すみません、ありがとうございます!」