今年の米大統領選で、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領がもし敗れた場合、その結果を受け入れそうもない兆候は山ほど見られる。民主党候補がジョー・バイデン大統領からカマラ・ハリス副大統領に交代したことを「クーデター」と表現し、すでに選挙は不正に仕組まれたものだとの主張をにおわせている。トランプ氏や側近らは市民権を持たない者による投票が横行していると繰り返し主張するが、それはめったに起きないことだ。またトランプ氏は記者団に対し「全てが正直である」場合にのみ選挙結果を受け入れると語っており、それ以外の結論を出す準備を整えていることが明白になった。投票の翌日である11月6日までにトランプ氏とハリス氏のどちらが勝利したかが判明しない可能性は十分ある。また選挙人団の投票結果が議会で正式に確定される1月6日までの数週間にも波乱が起きるかもしれない。トランプ陣営の共同責任者を務めるクリス・ラシビータ氏は7月、選挙後に法廷および政治的な闘争が待ち受けているとの見方を示した。「彼が聖書に手を置き、宣誓するまで終了することはない。選挙当日には終わらず、大統領就任式の日に終わる。誰が何をやっても不思議ではないから」
【エッセー】トランプ氏が選挙結果に干渉しにくくなる理由
新法や最高裁判断が防波堤となり、選挙プロセスの遅延や介入を阻止
有料会員限定
あなたにおすすめ