米大統領選の選挙活動を数多く見てきたが、大幅な増税を提案している候補者が自身を供給面重視の減税論者として売り込んでいるのは今回が初めてだ。それはカマラ・ハリス副大統領が有権者に訴えようとしていることであり、今のところ同氏はうまくやりおおせている。ハリス氏はニューハンプシャー州で声援に応え、「私の計画では、年間所得が100万ドル(約1億4300万円)以上の場合、長期のキャピタルゲインに対する税率は28%になる。政府が投資を奨励すれば広範な経済成長につながると、われわれは分かっているからだ」と述べた。ハリス氏が裕福な献金者からの賛辞を得るすべを心得ていることを評価したい。実業家マーク・キューバン氏はCNBCに対し、ハリス氏が「起業家についてより多く」語り、「起業家が投資を受けられるよう支援する」ことで、「100%中道を進んでいる」と語った。実際ハリス氏は口先ではうまいことを言っている。そしてマスコミは税に関する同氏の「節度」を称賛している。ジョー・バイデン大統領は、キャピタルゲイン税の最高税率を44.6%に引き上げることを提案してきたからだ。