グミのブームが続いている。インバウンド需要でも人気だが、水際対策により訪日客が激減していたコロナ禍でも拡大を続けていたグミ市場。国内需要の堅調さがうかがえる。データが明らかにした「グミブームけん引役」の正体とは?(市場アナリスト 木地利光)
グミがガムを食った
“お口のお供”ウォーズ
グミ・ガムともに、口元が寂しいときなどに手軽に食べられる菓子だが、好不調の明暗が分かれている。全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」から、グミ・ガムの市場規模トレンドを確認した。
2015年までは1000億円を超えていたガムの市場規模は、2022年には548億円にまで減少した。2023年に前年よりも緩やかに回復したものの、10年前の2013年と比較して半分近くにまで落ち込んでいる。
ガムと同じように、口臭ケアや気分転換などで食べられるタブレット菓子の台頭もあり、ガムの苦戦は続いていた。追い打ちをかけたのが2020年に始まった新型コロナの流行。外出自粛で車の運転中や出勤時などにガムを食べることが減ったためだ。在宅勤務が急速に広がり、生活者の中には食べた後に出る家でのゴミ処理を手間に感じてしまい、ガムを敬遠する動きがあったものとみられる。
それに対してグミの市場規模は増加を続けており、2023年には2013年と比較しておよそ2.6倍の972億円と1000億円に迫る勢いだ。減少がみられたのは、コロナ1年目の2020年のみ。外出自粛により外出時の小腹満たし需要が縮小したためだと思われる。コロナ2年目の2021年には再び増加し、グミの市場規模はガムを超えた。