締め切りはプレッシャーではなく
次のアクティビティに専念する助け

 私にしても、自分自身の裁量に任されていたら、この本を書き上げることはできなかっただろう。だがある時点で、原稿を提出できなければ、家族に反乱を起こされ、友人に拉致され、出版社に捨てられると認識したのだ。私自身が設定した表向きの締め切りを何度か破ったが、いったん本当の締め切り――出版社が小売店に約束した納期とか、妻が旅行を期待している日がはっきりすると、1時間に書ける量がいっぺんに上がった。

 なにもハイパフォーマーは、間に合わなかった場合のリスク回避のためだけに締め切りを守ると言いたいわけではない。実際、彼らのほとんどは、自分の仕事を世に出すのが楽しみで締め切りを守ろうとしている。また、自分が選んだ次のプロジェクトや機会に早く移行したいというのもある。私がなんとか本書を書き上げようとしたのも、遅れた場合の悪影響が怖かっただけでなく、この本をあなたの手に届けるのが待ち遠しかったからだ。また、家族に注意を向けたい、この内容をより多くの受講者に広めたい、という理由もあった。