目を見開くビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

ビジネスなどで圧倒的な結果を残すハイパフォーマーたちにとって、厳しい締め切りは重要なモチベーションになるという。そして、表向きの締め切りは守ろうとせず、常に、自分が重要だと思う本当の締め切りを意識して物事に取り組んでいる。世界的に有名なモチベーターが、ハイパフォーマンスを生む締め切りとの向き合い方を解説する。※本稿は、ブレンドン・バーチャード著、和田美樹訳『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)の一部を抜粋・編集したものです。

厳しい期限を設けることほど
有効なモチベーションはない

 なぜアスリートは、リングや競技場に上がる直前の数週間に、よりハードなトレーニングをするのか?なぜセールスパーソンは、四半期末に業績を伸ばせるのか?なぜ専業主婦や主夫は、子どもの新学期が始まる直前のほうが、家を片付けられるのか?それは、厳しい期限ほど有効なモチベーションはないからだ。

「本当の締め切り」は、パフォーマンス・マネジメントにおいて過小評価されているツールだ。皆、目標や期限について語り、それらの目標を達成するために「できたらこの日くらいまでに」という期日を設定しがちだが、ハイパフォーマンスは、本当の期限を知って初めて実現するものなのだ。

「本当の」締め切りとは何かというと、もし守れなければ、実際に悪いことが起こるし、守れば努力が報われるという、大事な期日のことだ。

 誰もが、締め切りを抱えて暮らしているが、ハイパフォーマーはどこが違うかというと、常に、自分が重要だと思う本当の締め切りを意識して物事に取り組んでいる点だ。締め切りの期日と、守れなかった場合の現実的な影響、守れた場合の報いを念頭に置いて仕事をしている。その反面、表向きの締め切りは、守ろうとしない。