「ライターを長く続けていれば、編集者は必ず自分より若くなっていく。その人たちに、いつもくたびれた感じで頼みにくいって思われたくないからね。せめて髪の手入れは若々しく保っていたいし、身なりは小綺麗にしていないとね。老け顔の疲れた人には、誰も仕事頼みたくないでしょう?髪の手入れも仕事のうちなんだよ」

 化粧や身なりや髪の艶など、ライターの資質と関係ないと考えがちだ。駆け出しの頃はそう思っていた。実力勝負、見た目なんて関係ないと。

 今は、コミュニケーション術の一つとして、相手が気持ちよく過ごせるよう自分ができることはやろうと心がけている。とはいえ、私のおしゃれはまだまだひよっこだ。空白の十余年を取り戻そうと張りきりすぎて、痛々しくならないようにしないとな。(「ライターの身だしなみ」より)