元日産エンジニアが忖度なしで選ぶ「期待外れのクルマ」、末期は月販500台以下だった「プリウスの上位互換」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「もっと売れると思ったのに…」。かつて日産で開発エンジニアを11年間務めた経験を持つ自動車ジャーナリストの筆者が、独自の視点で「期待外れのクルマ」を紹介します(※日産以外のメーカーも含む。本記事は前後編の前編、後編は9月12日公開予定)。プリウスの上級車種として強気な価格設定で売り出されたにもかかわらず、鳴かず飛ばずだったモデルとは?(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)

日産「ジューク」は意外と売れたが
その逆パターンも…

 自動車業界関係者やカーマニアの間で「ホントに売れるの?」と疑問視されていたのに、世に出ると意外にもヒットしたクルマ。「これは売れるぞ!」と期待を集めていたのに、意外と売れなかったクルマ――。日々登場する新型車の中には、数奇な運命をたどるクルマが見受けられます。

 たとえば、2010年6月に登場した日産自動車の「ジューク」。当時日産社員だった筆者は、発売前にジュークの試作車を目にする機会がありました。

 ですが、誇張されたフォルムのフェンダーや、ボンネットとフロントバンパーに配置された特徴的なライトなど、インパクトがありすぎるデザインに驚かされました。当時の筆者は、ジュークがあれほどヒットするモデルになるとは思いませんでした。

元日産エンジニアが忖度なしで選ぶ「期待外れのクルマ」、末期は月販500台以下だった「プリウスの上位互換」とは?日産自動車の「ジューク」 Photo:JIJI

 一方で、ジュークとは異なり、筆者や業界関係者の期待を裏切ったモデルもたくさんあります。今回は、そうした「残念なクルマ」を前後編に分けて紹介していきます(本稿は前編。後編は9月12日公開予定)。中には「プリウスの上位互換」として期待を集めたクルマも――。