「もっと売れると思ったのに…」。かつて日産で開発エンジニアを11年間務めた経験を持つ自動車ジャーナリストの筆者が、独自の視点で「期待外れのクルマ」を紹介します(※日産以外のメーカーも含む。本記事は前後編の後編、前編はこちらから)。性能は申し分なかったにもかかわらず、「セダン離れ」という時代の流れを変えられなかった高級車は?(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)
日産「ジューク」は意外と売れたが
その逆パターンも…
自動車業界関係者やカーマニアの間で「ホントに売れるの?」と疑問視されていたのに、世に出ると意外とヒットしたクルマ。「これは売れるぞ!」と期待を集めていたのに、意外と売れなかったクルマ――。日々登場する新型車の中には、数奇な運命をたどるクルマがあります。
たとえば、2010年6月に登場した日産自動車の「ジューク」。当時日産社員だった筆者は、発売前にジュークの試作車を目にする機会がありました。
ですが、誇張されたフォルムのフェンダーや、ボンネットとフロントバンパーに配置された特徴的なライトなど、インパクトがありすぎるデザインに驚かされました。当時の筆者は、ジュークがあれほどヒットするモデルになるとは思いませんでした。
一方で、ジュークとは異なり、筆者や業界関係者の期待を裏切ったモデルもたくさんあります。今回は、そうした「残念なクルマ」を前後編に分けて紹介していきます(本稿は後編。前編はこちらから)。中には、“セダン復権”を目指して夢破れた高級車も――。