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【精神科医が教える】自分を「お店」にたとえれば、人間関係はうまくいく!?Photo: Adobe Stock

人はお店である

今日は少し変わった視点から、人間関係と自己理解について「人はお店である」というコンセプトでお話ししたいと思います。

まず、飲食店を想像してみてください。それぞれの店舗には特徴があります。高級だったりカジュアルだったりと価格帯が決まっており、ターゲットとする客層も明確です。

その結果、ターゲットとする客層以外は、自然と入りづらくなるような仕組みになっています。

コンセプトに応じた客層

たとえば、高級店には高級感を求めるお客が集まり、庶民的でカジュアルな雰囲気を求めるお客は敬遠するでしょう。

逆に、庶民的でカジュアルなお店には、高級感を求めるお客はあまり来ないかもしれません。

このように、お店にはコンセプトがあり、それに応じた価格設定や雰囲気づくりがなされています。そして、私たち人間も実はこれと似たところがあるのです。

自分のお客ではない人

人間関係においても、「関わりたい人」という一種のターゲット層があります。つまり、基本的には自分が仲よくしたいと思う人々と付き合えばいいのです。

ただし、お店と人間の違いもあります。ターゲット以外の人々が近づいてきたり、意見を言ったりする機会があることです。

しかし、自分を「お店」だと考えてみると、そういった人々は「自分のお客ではない」とも割り切れます。そうした人の言動にあまり影響されず、積極的に近づかないようにしようとも割り切れるのです。

自分という「お店」のコンセプト

つまり、お店と同じように、私たち自身にもコンセプトが必要なのです。

自分という「お店」のコンセプトを決めることで、それに応じた人間関係を築き、必要な情報を取捨選択することができます。

この“自己コンセプト”の理解は、単に受け身でいるよりもずっと有効です。なぜなら、受け身でいるとさまざまなトラブルに巻き込まれ、嫌な思いをし、自分の存在意義さえ見失ってしまう可能性があるからです。

不快なことから身を守る

自分のコンセプトを理解し、それに基づいて行動することは決して高飛車な態度ではありません。むしろ、当たり前のことなのです。

自分のコンセプトをしっかりと理解して行動できる人は、最終的には不快なことから身を守り、本当にやりたいことを実現できるようになるのです。