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【精神科医が教える】心の痛みに向き合い、癒やす方法・ベスト1Photo: Adobe Stock

悲しみを手放す方法

今日は「悲しみにさようなら」というテーマでお話ししたいと思います。漫画や歌のタイトルにありそうですが、「感情の整理」に関する重要なテーマです。

悲しみという感情は、誰しもあまり経験したくないものですよね。経験したとしても、できるだけ早く手放したいと思うものかもしれません。

そんな悲しみを上手に手放すためのいちばんよい方法は、無理に追い出そうとしないことなんです。悲しみという感情は、自然とどこかに行き去くものだからです。

感情は上書きされる

ただ、その過程に時間がかかることもあります。軽めの悲しみはすぐに去っていくかもしれませんが、ときにはなかなか消えず、いったん去っても、また戻ってきたりすることもあります。

これは、悲しみの質や大きさの違いによるものです。しかし、どんなに大きな悲しみでも、永遠にとどまることはありません。感情は、必ず上書きされていくものだからです。

いろいろな感情が重なっていくことで、悲しみの感情がだんだん薄れていき、いつの間にか消えてしまうのです。

感情を放っておく

だからこそ、無理に悲しみを消そうと思わないことが大切です。

悲しみに限らず、ネガティブな感情を無理にとり除こうとすると、そのことに執着してしまって、逆に居座ってしまうことがあります。

悲しみを手放したいなら、むしろその感情を放っておくことが有効なのです。やがて、自然に消えていくことでしょう。

悲しみに感謝する

もし悲しみがなかなか去らない場合、それはその出来事がアナタにとって大切なことであった証拠です。

大きな悲しみを感じるということは、それだけ自分にとって重要なものが失われたということ。その悲しみにあえて感謝するというのも、1つのアプローチです。

悲しみを感じるということは、それだけ大きな感情を抱ける自分の心があるという証拠でもあります。

悲しみも感動の一種

人は感動して泣くことがあります。悲しみもまた、その一種といえるかもしれません。

悲しみを感じるときは、自分の心が動かされた証拠であり、それ自体に感謝することもできます。

悲しみは、打ち寄せる波のように、いずれ去っていくものです。自分の感性や心の動きに感謝し、前向きに捉えることで、悲しみを乗り越える手助けとなるでしょう。