「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

親子Photo: Adobe Stock

親が電話に出てくれない!

 歳をとった親と離れて暮らしている人は多いと思います。親が元気にしているか、困っていることはないか、気になりますよね。

 なにかあったらすぐに連絡をしてほしいですし、こちらからの連絡にも対応してほしいと誰もが思うでしょう。私も電話で親と連絡を取り合うのには賛成です。声を聞けば元気かどうかもわかりますし、ちょっとした雑談も気軽にできます。

 簡単に会うことがむずかしいのであれば、電話は親子のコミュニケーションツールとして大きな役割を持っているでしょう。

 ただ、よく患者さんの家族から「親が電話に出てくれなくて困る」という相談をいただきます。親を思っての電話ですから、できれば出てほしいですよね。

 そんなとき、「なんでいつも電話に出てくれないの?」と言ってしまいがちです。しかし、この言葉はあまり好ましくありません。