「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

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親の趣味についての「何気ない会話」

 園芸が趣味の高齢者は少なくありません。四季折々の風景を魅せてくれる自然には、心が癒されるものです。

 とはいえ、高い樹木の剪定には「転落」の危険性があります。草むしりは、腰やひざの関節に大きな負担をかけるため「関節痛」などを誘発します。

 実際、庭仕事が原因で人工関節手術を余儀なくされる方もいらっしゃいます。身体を動かすいい機会ですが、ほどほどがいいと考えられます。

 そんなとき、何気ない気持ちで「腰を悪くするから、庭仕事はやめたほうがいいよ」と言いたくなりますよね。この言葉も親を心配する気持ちからくる言葉かと思います。

 しかし、庭仕事を生きがいと感じている場合がありますので、やめさせるのは、なかなかむずかしいものです。場合によっては「生きがいを奪うな!」と反発されてしまうこともあるでしょう。