年齢構成の高齢化で
平均賃金は高騰する

 ところが、Aさんが入社したときには、年齢が若い人ほどたくさんおり、年齢が高い人ほど少なかったけれども、毎年入社する人が減っていって、Aさんが退職するときには、年齢が高い人ほどたくさんおり、年齢が若い人ほど少なくなっていたとしたらどうでしょう。

 こちらもやや非現実的な数値例でグラフを作ってみましょう(図4)。

 Aさんの入社した年にはAさんの同期は40人、1年先輩は39人、2年先輩は38人と年齢とともに少なくなっており、定年前の60歳の社員はたった1人でした。しかし、その1人が定年退職した代わりに翌年入社してきたAさんの1年後輩は39人で、その次の年に定年退職した2人の代わりに入社してきたのは38人、という具合に進展していき、Aさんが60歳になったときには同期は40人のままで、1年後輩は39人、2年後輩は38人…新入社員はわずか1人だけになっていたとしましょう。