「あなたの会社はZ世代に嫌がられるような採用活動をしていませんか?」――そう語るのは、ワンキャリア取締役の北野唯我さん。「常に人手不足」「認知度が低い」「内定を辞退されてしまう」「外資系との給与差が開いている」といった多くの採用担当者、経営者の悩みを解決するため、北野さんが執筆したのが、著書『「うちの会社にはいい人が来ない」と思ったら読む 採用の問題解決』です。これまで属人的で全体像が見えなかった採用活動を構造化し、3000社以上の企業の採用支援実績、180万人の求職者のデータに基づいた「新しい採用手法」を紹介した一冊です。この記事では、本書より一部を抜粋・編集して紹介します。今回は、採用で最も重要と言ってもいい「求人票」についてです。
一度出してダメならすぐ修正
明日から実施できる施策としては、求人票の改善がある。求人票を作成する際にも、求職者理解がベースになる。求職者が何を求めて、どういう表現であれば申し込みたいと思うのかを考えるか否かで、実際のクリック率や申込率は大きく上下する。
当社のカスタマーサクセスチームが支援するケースでも、求人内容はそのまま、タイトルや画像バナーを変えるだけで、成果(クリック率やPV数)が2〜3倍になることはよくある。母集団形成への影響が極めて大きい。
こだわるべきポイントは次の通りだ。
①求人票のタイトル
求人票には求職者が魅力を感じるキーワードを入れる。業界のトレンドキーワードやポジティブな表現を積極的に使用する。長すぎず短すぎず、簡潔で明確なタイトルにする。
②求職者の目を引くデザイン
企業の魅力や職場の雰囲気を伝える画像を使用する。写真は明瞭なものを利用する。ボヤけた色味は避けて、目立つ色味を主体にする。スマートフォンでも見やすい文字の配置・大きさ・分量にする。
③応募手続きの簡便化
応募方法をシンプルでわかりやすくする。応募者がすぐに行動に移せるよう、応募フォームや連絡先を明確に示す。たとえば「簡単3ステップで応募完了!」「まずは履歴書をメールでお送りください」など。
特に「求人票のタイトル」と、「バナー(画像)」の2点には徹底的にこだわり、トライアルアンドエラーの精神で、少し出して反応が悪ければ、すぐに修正する方がいい。
デザインにはお金をかけよ
求人票作成時はデザインにもお金をかけた方が絶対にいい。
中堅中小企業の場合、社内にデザイナーがおらず、人事担当者がパワーポイントやワードなどを使い、クリエイティブをつくってしまうケースもある。人事としては気にしていなくても、求職者が見ても素人がつくったことが明らかにわかり、それだけで避けられてしまう。
現在では、クラウドソーシングのサービスを使えば1枚5000円程度から2万〜3万円程度でデザイナーに外注ができる。求人を掲載する費用は数十万円かけていても、デザインが悪ければエントリーにはつながらないため、非常にもったいない。
もし自社に自信がなければ利用しているサービスのカスタマーサクセスチームにアドバイスをもらいながら進めるのがいいだろう。
(本記事は『「うちの会社にはいい人が来ない」と思ったら読む 採用の問題解決』を元に抜粋・編集したものです)
株式会社ワンキャリア 取締役 執行役員CSO
兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。就職氷河期に新卒で博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。米国・台湾留学後、外資系コンサルティングファームを経て、2016年ワンキャリアに参画、現在取締役 執行役員CSO。作家としても活動し、デビュー作『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(ダイヤモンド社)、『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版)など、著作の累計部数は40万部を超える。
ワンキャリアは2021年10月、東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)に上場。累計3000社以上の企業の採用支援実績があり、累計180万人の求職者に利用されてきた。新卒採用領域の採用プラットフォーム「ONE CAREER」は2020年から4年連続で日本で2番目に学生から支持され、東京大学、京都大学の学生の利用率は95%となっている。