一度生み出した「影響力」を
無限に増幅させる

 これは、ほんの一例です。「聞く」ということ以外にも、お客様の「潜在意識」に働きかけるために、ありとあらゆる工夫を重ねました。僕に対して、「親近感」「安心感」「好感」「共感」「信頼感」といったポジティブな感情をもっていただくためにはどうすればよいか? その観点で、自分の一挙手一投足を見直していったのです。

 そして、相手の「潜在意識」において、「僕という人間」を受け入れていただければ、相手に対する「影響力」が効き始め、自分が思う方向へと自然と仕事が動き出すことを身をもって学びました。これは、あらゆる職種や仕事、あらゆる人間関係に共通する真理だと思います。

 さらに重要なのは、「影響力」を増幅させていくことです。

 ある人物との関係性を構築することができたら、今度は、その方の「影響力」をお借りするのです。例えば、僕がある会社の社長さんの「影響力」を借りることができれば、その会社の役員をはじめとする方々はもちろん、その社長さんと付き合いのある別の社長さんにもアプローチしやすくなるでしょう。

 そして、ご紹介いただいた方々との関係性をしっかりと築くことができれば、今度は、その方々の「影響力」をお借りすることができるでしょう。こうして、一度生み出した「影響力」を無限に増幅させていくわけです。いわば、「わらしべ長者」のようなものです。

 実際、僕は営業マンとして、目の前の方との関係性を大事にするとともに、その方の「影響力」をお借りすることで、徐々に、「富裕層」と言われる方々とのご縁も増えていきました。

 そして、そうした方々も含むコミュニティのハブとして存在することで、「金沢景敏という人間」の「影響力」はさらに増幅。そのコミュニティに加わりたいと思う方が増えたこともあって、ほとんど営業マンらしい仕事はしなくても、僕のもとに「あなたから保険に入りたい」「相談に乗ってほしい」という連絡が継続的に入ってくるようになっていました。

 そのような恵まれた環境が生み出されたおかげで、最終的にはTOT基準(日本の生命保険募集人登録者約120万人中60人前後のみ認定される「狭き門」)の4倍以上の成績を上げることに成功。8年在籍したプルデンシャルを退職したのち、AthReebo(アスリーボ)株式会社を創業して、長年の夢だった「スポーツ選手の生涯価値を最大化する事業」に邁進しています。「影響力」を味方につけることで、まさに「魔法」のように人生が変わったのです。