自民党総裁選は「デジタル化」加速の議論を、生成AI開発・活用は成長戦略の柱自民党総裁選候補者の共同記者会見を前に、記念写真に納まる(左から)高市早苗経済安全保障担当相、小林鷹之前経済安全保障担当相、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長、茂木敏充幹事長=9月13日、東京・永田町の同党本部(代表撮影) Photo:JIJI

ライドシェア解禁、労働規制緩和だけで十分か
デジタル化を中心とする長期成長戦略が必要

 自民党総裁選では、政治改革や防衛問題と並んで、成長戦略が重要な論点になっている。

 経済政策というと、短期的な金融政策や財政政策が論議されることが多いのだが、長期的な観点からの成長戦略も、それと並んで重要な課題だ。これは、技術革新を進め生産性を上昇させるための政策である。

 この問題は、重要でもあるにもかかわらず、これまでなおざりにされがちだった。アベノミクスでは、「第3の矢」として必要性が指摘されながら、実際には実効性ある政策は何も行なわれなかった。そして異次元金融緩和という金融政策だけが実行され、日本経済の生産性はむしろ低下した。

 岸田政権も、デジタル田園都市構想などの政策を打ち出したが、実効性があるものには至っていない。

 成長戦略には、雇用政策などさまざまな問題が含まれるが、現在の日本で特に重要な意味を持つのは、デジタル化の推進だ。

 自民党総裁選では、ライドシェアの全面解禁や労働市場の流動化をめぐる議論はあるが、

 分散・分権型の情報システムや社会システムを見据えた長期的成長戦略の問題を議論すべきだ。