「知らなくて損をした……」を、避けるために

 常々思うのですが、税金や年金・社会保険・失業手当などの制度は、知らない人が損をする仕組みになっています。実は、トクになる制度はあるのだけれど、その制度があること自体を、役所が大声でアナウンスしてくれることはほとんどありません。

 もちろん、隠しているわけでもありませんから、役所に聞きに行けば制度の詳細や手続きなどについては、教えてくれます。でも、「役所にいってみたけど、何をどう聞けばいいのかさえわからなかった」という方も少なくありません。ましてや、「結局どうすれば一番トクなのか?」「何が自分にとっての正解なのか」を聞き出すことは、至難の業です。

 本書は、そんな「知らなくて損をした」という定年前後の後悔を、少しでもなくすことができれば、という思いで執筆した本です。定年前後に、自分で決めなくてはならない事項について、「知っておくべきこと」「どうすればいいのかを決めるための判断ポイント」「金銭的な損得の目安」などをなるべくわかりやすく、簡潔に解説することにこだわりました。

 定年前後のお客様たちと接してきた中で見えてきた、「はまりがちな落とし穴」「ちょっとした工夫でできるコスパの大きな裏ワザ」などを紹介しています。すべて実行すれば、総額で2000万円以上「手取り」を増やせる人もいると思います。