感想を「ありきたり」へ
落とす3つの言葉にご用心
悪いのは、あなたではありません。悪いのは、
(1)「泣ける」
(2)「やばい」
(3)「考えさせられた」
この3つの言葉です。
じつはこの3つの言葉って、「感想界のクリシェ=ありきたりな表現」なんです。
とくに「泣ける」と「考えさせられる」は、かなり要注意の言葉です。この2つの言葉を使うと、そこで思考停止になってしまいます。
たとえば映画の宣伝で「全米が号泣」という言葉が使われすぎて、「全米は号泣してないぞ」とツッコミを入れる人をたまに見かけます。あれは、全米の人が実際に号泣したかどうかという事実が問題ではなく、あらゆる映画の宣伝文句に「号泣」とか「泣けた」という言葉を多用していることを揶揄しているんですよね。つまり、クリシェに対する揶揄なのです。
クリシェは、あなたの言葉を奪う敵だと思ってください。
よく見る、それらしい言葉。その言葉を使うだけで、なんだか文章自体が、それっぽくなる。感想っぽくなる。だから、つい使ってしまう。
「考えさせられる」なんて、使うだけでなんだか「かっこいい感想っぽくなる」言葉だと思いませんか?
でも、そういう言葉こそ、いったん忘れてほしい。「クリシェ=ありきたりな表現」は、あなた自身の表現を奪ってしまうから。