次期首相の座をめぐって接戦を繰り広げた石破茂氏と高市早苗氏。ダイヤモンド・ライフ編集部は総裁選前に2人を独占取材していた。決選投票で明暗を分けたものは何か。自民党総裁選前の独占取材で語った「派閥とカネの問題」「人事の考え方」「総理大臣になる覚悟」を振り返りたい。
小泉純一郎が石破茂にアドバイスした「自民党総裁になるために必要なこと」
…議員になるのも大臣になるのも、総理大臣になるのも手段であって、目的ではありません。自分の理想とする政治を実現するために内閣総理大臣という職があるのであって、「一度でいいから権力の頂点に立ってみたい」なぞと思ったことはありません。
…私は誰が総理大臣であれ、自分の選挙は自力でやるものだと思っているし、それが党内で敬遠される理由の一つなのかもしれません。
すべての派閥に嫌われた…高市早苗の政調会長時代「お前は何様だ!」ブチギレる重鎮に返した、直球すぎる言葉とは?
…私は各派閥から出てきた「役職希望表」をすべて無視したのです。というのも、私は政調会長として、派閥の論理ではなく、無派閥の方も含めて適材適所の人事をすべきだと考えていました。
…重職を兼務しておられる先輩議員に電話して「今回の人事から『1人1長制度』にします。現在の3つの役職のうち、残すとしたらどれになさいますか」と尋ねたら、「お前は、何様だ!」などと、こっぴどく叱られました(笑)。
石破茂氏が自民党総裁選に苦言「キレイごとを言うつもりはないけど…」
…企業団体献金のウェイトは減らしていくべきだと思っています。ただし、減らしすぎると公的助成や党からの資金に頼ることになって、議員の自立性が損なわれます。党からお金をもらえば、党の言いなりになってしまうでしょう。
…お金持ちや2世や高級官僚出身者や知名度の高いタレントでなければ政治家になれないというのは、国のためになりません。「民主主義にはコストがかかる、政治には金がかかる、以上」みたいな言い方にも、賛成できません。今回の政治改革の議論でも、その部分が決定的に抜けていたと思います。
「どうするんだよっ」安倍元総理が高市早苗を叱った深いワケ
…私は第一次安倍政権退陣後も、安倍元総理の体調が戻った頃から、再び総理・総裁に返り咲いてほしいと思って、何度も直談判しに行っていました。
…翌年の総裁選直前に退会すると、お世話になった町村先生のお顔を潰すことになりますので、1年以上前に退会しましたが、他方、翌秋に安倍元総理が立候補してくださる確証もない時期でしたので、不安と淋しさでいっぱいでした。