「飲み会で最も大切なのは相手に優越感を持たせてあげることです」
そう語るのは、『人生が整うマウンティング大全』の企画・プロデューサーである勝木健太氏である。また、広告代理店卒で幾多のビジネス会食を乗り越えてきた『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者yuuu氏によると「『私って何歳に見える?』という一見答えるのに戸惑うような質問も、答え方次第では尋ねてくれた女性にエクスタシーを感じさせられるチャンス」なのだという。今回は、話題の著者2人に、会食で好印象を残せる「マウントしたい欲求」を使ったコミュニケーション術について聞いてみた。(構成=ダイヤモンド社・榛村光哲/執筆=森遥香)
「相手にマウンティングさせれば、時に5000億の発注が待っている」
――飲み会のコミュニケーションで最も大切なことを教えてください。
勝木健太(以下、勝木) 相手に「優越感」を持たせてあげることです。人は誰しも「優越感を得たい」と無意識のうちに思っています。これは、「マウントしたい欲求」を心に秘めている、とも言い換えられます。だからこそ、特に、飲み会では相手が気づいてもいなかった「マウンティング欲求」を解放してあげるといいでしょう。
実はこれって、飲み会や会食だと非常にやりやすいんですよね。人前で恥をかかされたら一生憎みますけど、人前で気持ちよくマウントさせてくれたら一生忘れないですから。いわば、「マウント性感帯」を刺激してあげること、とでも言えるでしょうか(笑)。若干アダルトなフレーズですけど、要は、「相手が無意識にマウント取りたがっていること」を狙って刺激してあげるということです。このようにして、相手に本物の「優越感」を持ってもらうことが重要です。
――「本物の優越感」をいかに提供してあげるか、ですか。
勝木 はい。これを「小手先のテクニック」と嘲るジュニアキッズビジネスパーソンもいるかもしれませんが、この「小手先のテクニック」の先には5000億円の発注があることだってあります。もちろんIR資料には「貸し借りがあったので取引が成立しました」とかは書けないので、公には見えることはありません。しかし、IR資料には書けない企業同士の「貸し借り」は必ず存在します。時にはこの「貸し借り」で企業のM&Aや1兆円企業との取引が決まることもあるんです。このようなマウント力学を理解しておくというのが、特にこれからの社会においては大事ですね。
例えばコンサルティングファームを選ぶにしても、どのファームも提案書はほぼ同じです。だったら何で決めるかというと情緒ですよね。ビジネスにおける最上流スキルは、マウンティングだと思うのです。