職場の飲み会での会話は「マウントリスペクトの精神」で臨め――
職場の飲み会で繰り広げられる「マウンティング合戦」。面倒な上司や先輩とのコミュニケーションに、「正直、疲れてしまった…」という人も多いのではないだろうか。
しかし実は、マウントをされやすい人は「マウントする人の心情を理解しきれていない」ことが原因でもあるという。『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者で最大28会食/月を乗り越えてきたyuuu氏と、『人生が整うマウンティング大全』の企画・プロデューサーである勝木健太氏にマウントをとられやすい人の特徴と、残された秘策について聞いた。(構成=ダイヤモンド社・榛村光哲、執筆=森遥香)
「バカにされたくない」人たち
勝木健太(以下、勝木) マウントされるのをなくしたいと思う人は多いですよね。能動的にマウントしたいというよりも、マウントされることを回避したいという動きを感じます。
yuuu 隙をなくしたいという意欲はあるのではないでしょうか。例えば、僕は『ビジネス会食完全攻略マニュアル』を執筆した張本人なので、「じゃあカンテサンス(編集部注:ミシュラン3つ星のフレンチレストラン)で食事したことあるの?」とか聞かれると絶対に答えたいわけですよね。最低限の知識は押さえて、バカにされたくないという思いが強いんです。こういった心の機微をとらえておくことは、飲み会だけでなく職場でも有効だと思います。
特徴①勘が悪い ~自虐マウント~
――マウントに気づかなくて、「勘が悪い」と思われることもあるんでしょうか?
勝木 あります。代表的な例は、某上場企業経営者の「マッキンゼーがつらくて、逃げるようにハーバードに留学した」という一言です。「逃げた」のだから一見何がマウントなのかわからないですよね。ただ、この一言にはマウントの要点が詰まっています。相手が「ここでマウントをとりたいんだな」というポイントを理解しておくと、より適切な返しができる気がしますよね。
yuuu もし万が一、「マッキンゼーがつらくて、ハーバードに逃げたんです」と言われた時は、「ああ、逃げちゃったんですね」ではなく、「それでもハーバード!」と返すのが最適解です。くれぐれも「マッキンゼーの何がつらかったんですか?」なんて触れちゃダメ!(笑)「逃げた」と言いながら、逃げたわけじゃないっていうのを伝えたいんですよ。
勝木 逃げた理由は絶対に触れてはいけないですね。本当はみんな自慢したいけど、「いい大人が自慢とかダメでしょ」という縛りの中でひねり出したのが自虐マウンティングです。会話では、相手が自慢したい箇所がどこなのかを掴むことが大事です。自虐マウンティング欲求を掴むことで初めて話が噛み合うようになります。