2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

「こうなりたい」という思いを捨てると、嬉しい奇跡が起こるらしい

 ある女性の話です。この女性は、結婚して8年間、子どもができなかったそうです。あらゆる不妊治療を試みましたが、結局、うまくいかなかったそうです。

 子どもができずに悩み苦しんでいたとき、彼女はたまたま、私の話を聞いたそうです。

「人間の一生というものは、生まれながらにして、自分で自分のシナリオを書いてきているらしく、すべては予定通りに進んでいるらしい。だから、過去のことをクヨクヨする必要もないし、未来のことを心配する必要もない。ただ『念』を入れて生きていけばいい。『念』という字は、『今』の『心』と書く。つまり、目の前にいる人、目の前に起きていることを大事にして生きていけばいいようだ」という話でした。

 私の話を聞いて、この女性は気持ちがすっきりしたといいます。悩みが解消し、ラクになり、楽しくなって、心豊かな毎日を送れるようになりました。

 すると、不思議なことに、8年間できなかった子どもを授かったそうです。

 出産後、1年ほど過ぎたとき、もうひとり子どもが欲しくなりました。そして、「妊娠しますように」と神様にお願いをし、不妊治療をはじめたのですが、治療の効果はあらわれなかったそうです。

「どうしてできないのか」と悩んでいるとき、私の話を思い出したそうです。

「そうだ、全部決まっているとするならば、自分のシナリオに身を委ねればいい」

 そう思って気をラクにしたとたん、悩みが消えた。そして、妊娠したのだそうです。

 2人目の子どもがお腹の中にいるとき、彼女は私に、こんな話をしてくれました。

「力を抜いて生きること。頑張って、執着して、思い通りにしようとして、『そうでなければ嫌だ』と思っているときは、そうならないみたいです。力を抜いてお任せしたとたん、子どもを授かったということは、神様は私にそういう法則を教えてくれたのだと思います」

 じつは、彼女の話にはおまけがあります。子宮の中に筋腫(良性の腫瘍)が見つかったのです。

 診察をした医師は、「お腹の中で子どもが大きくなるに従って、その筋腫が問題になることがあります。1ヵ月後に再検査をして、そのときの状況で、手術をするか、そのまま見送るか、ほかの方法を取るか決めましょう」と言ったそうです。

 彼女は、再検査までの1ヵ月間、「筋腫さん、小さくなってくれてありがとう。お腹の子どもの問題にならないように退いてくれてありがとう」と言い続けたそうです。

 再検査の結果に、医師は目を丸くして驚きました。筋腫がなくなっていたそうなのです。

 彼女は笑顔で語ってくれました。

「力を抜いて、頑張らないで、必死にならないで、『そうならなくてもいいけど、そうなったら嬉しい。でも、そうならなくていいけど、そうなったら楽しい。でも、そうならなくていいけど、そうなったら幸せだ』と思っていると、すごい効果が出るみたいですね。この2人の子どもを通して、『自分の思いにこだわると実現しない。自分の思いや執着を捨てると、嬉しい奇跡が起こるらしい』ということを学びました」と。