中国3大新興EVメーカーは本当に儲かっているのか?赤字続きの裏に隠れた「潜在力」の読み解き方中国3大新興EVメーカーの一角を占めるLi Auto。上海ストアの風景 Photo:NurPhoto via AFP

中国3大新興EVメーカー
過去5年間ほとんど赤字の裏側

 下の表は中国の主要EV(Electric Vehicle、電気自動車)メーカーの営業利益の推移を示しています。営業利益は、売り上げから売上原価と販管費(研究開発費を含む)を差し引いて計算され、本業からの儲けを表していると言われています。

 BYD(比亜迪股份有限公司)は、ご存じのようにバッテリーメーカーから始まり、その後にEVを作り始めて、現在ではハイブリッド車も作っています。今やテスラを抜いて世界一のEVメーカーになりました。毎年売り上げを増やし、営業利益も増えています。2023年度は324億元(約6840億円)の営業利益です。儲かっていると判断して良いでしょう。

 あとの3社は、中国3大新興EVメーカーと言われているLi Auto(理想汽車)、Nio(上海蔚来汽車)、XPENG(小鵬汽車)です。過去5年間の営業利益はほとんど赤字で、儲かっていないように見えます。その中でLi AutoはEVメーカーとして昨年ようやく営業利益が出ました。

 このデーターを見れば多くの人は3社が儲かっていないと判断するでしょう。また、このままでは倒産するのではないかと予測するでしょう。しかし、実はこの5年間だけでは本当に儲かるかどうかはわからないのです。

 一般的に利益あるいは損失と言っているのは、1年間の企業活動に対する期間利益(あるいは期間損失)のことです。儲かっているかどうかを考える上で大事なことは、その企業の事業プロジェクトはどういうものかということを理解した上で、期間利益(あるいは損失)の意味を考えることです。