シャープがEVに参入表明
陰にホンハイと日産出身の関氏
シャープが電気自動車(EV)事業に参入する。同社は9月17~18日に東京国際フォーラムで開催された技術展示イベント「SHARP Tech-Day’24 “Innovation Showcase”」で、EVのコンセプトモデル「LDK+」(エルディーケープラス)を公開した。
このEVコンセプトモデルは、親会社の台湾・鴻海精密工業(ホンハイ=フォックスコン)と連携し、フォックスコングループが開発したEVプラットフォームをベースに企画・開発したもの。これに、EVスタートアップのフォロフライから車体製作での協力を得て実現させた。
ミニバンタイプの同車の大きな特徴は、車内を生活空間として捉え、シャープ独自のAI技術やAIoT(AI〔人工知能〕とIoT〔モノのインターネット化〕を組み合わせた造語)技術などを活用していること。「“止まっている時間”はリビングルームの拡張空間に」ということを提案して、シャープらしい価値を創出することが今回のコンセプトモデルの狙いだ。
今回の発表に際し、シャープの種谷元隆専務執行役員CTO(最高技術責任者)兼ネクストイノベーショングループ長は、同社が数年以内にEV市場に参入することを明らかにした。
ここへきて「EV減速」とか「EV失速」が世間で叫ばれる中で、シャープがあえてEV事業に乗り出すことを表明したのはなぜか。
その鍵を握る人物、いわば仕掛け人が、関潤(せき・じゅん)氏だ。