ここから娘は洋楽好きになり、ケイティ・ペリーやテイラー・スウィフトの歌を聞いては、歌詞をすべて暗記し、発音まで完璧になっていました。そして高校に上がる頃には学校以外での英語教育ゼロ、海外居住経験ゼロにもかかわらず、帰国生ばかりが在籍する特別クラスに選抜されたのです。

 このクラスではアメリカの高校で採用されている全編英語の教科書を使い、ネイティブの先生が英語で進行するハイレベルな授業が行われています。この展開には、親の私もただただ驚かされるばかりでした。

「英語欲のきっかけ」を
置いておくだけでOK

 私としては「娘をバイリンガルに育てよう」と思ったことは一度たりともありません。

 私がしたことといえば、自分が好きなミュージカルに娘を巻き込み、自分のお気に入りのDVDを家に置いておいただけ。

 むしろ、娘が『glee』と出会ったことはアクシデントと言っても過言ではなく、私には予想もつかなかったことです。娘の英語への意欲が高まっていたタイミングで、ちょうど手を伸ばせる位置にDVDが置いてあったことが結果的に良かったのです。

 むしろ、早期教育や英会話教室などではなく、娘は自分の中で英語への情熱をじっくり育てることができたからこそ、演劇やDVDが起爆剤となり、伸びるべくして伸びたのだと思います。