演劇やDVDとの出会いの部分には私も一役買いましたが、そこから先は本人が自分で好きなものを選び取りました。私とは関係のないところで、自分の意思で洋書を読んだり、英語のDVDを繰り返し観たりしたことが脳育てにつながったと感じています。

 意欲的に学ぶ子どもの吸収力には目を見張るものがあり、親から言われて「やらされる」場合とは比べものになりません。

 ところで、娘のお気に入りの作品を並べてみると、主人公が囚人から市長に上りつめる『レ・ミゼラブル』にしろ、学校のはみ出しものが活躍する『glee』にしろ、社会的弱者が活躍するものに強く共感していることがわかります。私の好きなコメディミュージカルには全くハマりませんでした。

 つまり、何がその子にヒットするかは、日頃から子どものことをよく観察している親ですら計り知れないということです。

 ですから、「この子のために」とあれこれ考えてコンテンツを選ぶよりは、親自身が楽しめるものを子どもの手の届くところに置いておき、その中から自分で選べる環境を用意しておくくらいがちょうど良さそうです。