それに、正社員ではない記者は仕事を受注する立場ですから、発注者が新人でもベテランでも関係ありません。自分より経験が浅い編集者から仕事を依頼されることが嫌ならば、その編集部では仕事をしなければいいのです。
それなのに、新人に不機嫌をぶつけ、いつも相手を困らせていたことには、私も見ていて疑問に感じました。次第に、ほかの編集者たちからも「○○さんと仕事をするの、嫌だよ。話したくないよ」という声が漏れ聞こえはじめ、悪い空気がだんだん社内に広がっていくような、嫌な雰囲気が漂っていたのです。
その記者は、取材力は確かですし、人脈もあって、他の人には書けない記事が書けるということで一目置かれていました。でも、新人編集者への態度は、誰から見ても目にあまるものだったのです。
不機嫌さを出すこともほどほどにしないと、人は離れていくものだな、と改めて考えさせられたのでした。
生きていればいろいろなことがあります。不機嫌になることもあります。それは仕方のないこと。でも、不機嫌をそのままぶつけても、相手にも自分にもいいことはありません。無理に機嫌よくすることはありませんが、できる限りフラットに接することができるようにはしたいものです。