新人編集者が、この道30年以上のベテラン記者に仕事を依頼したときのことです。ベテラン記者ともなれば、政治家とのつながりや専門的な知識を活用し、他の人が聞けない話に切り込んで、自ら記事になるようなネタを編集者に提案する人も多いです。その記者もそういうスタイルを主軸としてお仕事をされていました。
ですので、編集部に入って数カ月の新人編集者に仕事を依頼されることは、あまり良い気持ちがしないのでしょう。やりとりを見ていると、不服そうな態度を取っては「勉強不足だな」とチクリと嫌味を言ったり、語尾がきつくなっていることがよくありました。私は何度もその2人のやりとりを目の当たりにしましたが、新人編集者は、いつも気が重そうで、「あ、あの……お仕事をお願いしたいのですが……」と恐る恐る声をかけている様子でした。
チームワークが大事だからこそ
自分の機嫌は自分でとろう
確かに、知識も経験も豊富で、その人だからこそ口を開く政治家や官僚がいることは確かです。でも、編集部は小さくても組織です。チームワークも必要です。