会社やチームのリーダーとして、いま、求められているリーダーシップとはなんでしょうか?
責任をとること? 部下やメンバーの話をよく聞いて、仲を深めることでしょうか?
『リーダーの言語化 「あいまいな思考」を「伝わる言葉」にする方法』の著者である木暮太一氏は、リーダーのすべきことは「言語化」であると言います。
本記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「思い込みを主張してくるメンバーへの問いかけ」についてご紹介します。
“自分の思い込み”を主張してくるメンバーにはどうすればいい?
ビジネスで自分の意見・アイディアを言ったとき、「それはあなたの主観的な意見ですよね? 単なる思い込みですよね?」と言われてしまうことがあります。
これを言われてしまうと、そのメンバーは次から発言できなくなってしまいます。ですが、実際に自分の思い込みで主張・提案してくるメンバーもいます。こんなときはどうすればいいのでしょうか。
メンバーからの意見は引き出したいですが、メンバー個人の思い込みを主張されても採用するわけにはいきません。論理的思考を身につけろ、データやファクトベースで話せ、と伝えるのは簡単ですが、そもそも論理的思考やファクトベースはものすごく難易度が高いものです。
「当てはまらないケースって、どんなときだろう?」と問いかける
それが個人の思い込みであることに気づいてもらうためには、「当てはまらないケースって、どんなときだろう?」と問いかけることが有効です。
仮にメンバーが「これからはインバウンドです! いつまでも古臭いことをやっていないでうちもインバウンド向けのサービスを手掛けるべきです!」と主張してきたとしましょう。
ここでリーダーが問いかけるべきことは、「それはお前の思い込みだろう?」ではなく、「訪日外国人向けのサービスが伸びると思っているんだね。でも、すべての商品サービスが訪日外国人にウケるとは思わないんだけど、インバウンドに向いていない商品サービスはどういうものがあると思う?」と問いかけます。
こう問いかけることで、まず自分の主張が当てはまらないケースがあるという認識を持ってもらえます。そして、思い込みから脱してインバウンドでウケるもの/ウケないものを考える頭になれます。
日本人は議論ベタ・主張ベタであるがゆえに、最初から質の高い主張ができないことがあります。そのときにその質の悪さを指摘してしまうと、次から何も言えなくなってしまいます。
まずは視野を広げてもらうために「当てはまらないケースは?」と問いかけてみましょう。