不安を感じたときに大切なのは、自分がなにに対して不安を感じているのかを明確にすることと、それを解消するために具体的な行動をしていくことです。

 具体的な行動に結びつけることができない「なんとなく不安」な感情は、持っていても意味がなく、ただ心が重たくなるだけです。

 不安から抜け出したければ、そこをはっきりさせる必要があるのです。

差し迫った命の危険はないのに
際限なく膨らんでいく「恐怖」

 不安と近い感情に「恐怖」があります。恐怖は、物理的なもの、精神的なもの、あるいはその両方に対して抱く感情です。

 例えば、自分より体が大きくて力が強いものに出会ったとき、危害を加えられたり、命の危険を感じたりするときに覚えるものであり、非常に動物的な本能ともいえるでしょう。

 つまり、すべての生きものにプログラミングされている情動で、なにか危機となることを回避するためにも欠かせないものなのです。

 一方、現代社会では差し迫った命の危険はないのに、必要のない恐怖を勝手に感じてしまうことで、生きづらさが生まれている印象を受けます。

 そういう意味では、私は最も気をつけなければいけない感情ではないかと思っています。