「死に対して不安を感じるな」

 そんなことを言っても、なかなか難しいですよね。

 でも、ほかの動物たちは自分が死ぬことを知らないですし、そこに不安や恐怖を感じることもないと思います。

 犬も猫も「ぼくは何歳になったら死んでしまうのだろう?」などとは考えないでしょう。

 ところが、人間は未来に対して不安を感じますので「病気になったらどうしよう」と考えて健康に気を配ったり、「安心して老後を過ごすために貯蓄をしよう」と計画を立てたりします。

 こういった不安は、人生を明るく、そして楽しく生きるために有効的に活用されているといえるでしょう。

 逆に、自分が持つ能力の衰えに対して不安を持っていない人は、やはり横着してしまいがちです。

「自分は大丈夫だ」と慢心して、車の運転をする高齢者の事故が後を絶ちませんよね。

 これは自分の判断力が鈍っていることに気づかず、それこそ「人を轢いてしまったらどうしよう」という不安を感じていないからです。

 まずは、無理に不安をなくそうとするのではなく、しっかりと不安に向き合うことが大切。