石橋を叩いて渡れとまではいいませんが、自分のリスクを回避するうえでも必要な不安があるということは覚えておきましょう。

不安は知らず知らずのうちに
恐怖へと変わっていく

 怖いのは必要のない不安を感じることで、どんどん新たな不安を呼び込み、それが知らず知らずのうちに恐怖へと変わってしまうことです。

 マスコミのニュースは最たる例といえますが、あまりにも不安を煽りすぎると、それによってパニックを起こしてしまう人が出てきます。

 恐怖の感情が優位になると理性が働かなくなり、正しい判断もできなくなります。ひどい場合には、悪意のある人に騙され、挙句の果てに心身を損なって病気になってしまう――こんな理不尽はありませんよね。

 今や、怪しい宗教、投資セミナー、自己啓発セミナーはもとより、政府もマスコミも企業も、しれっと人々の不安を煽るのが常とう手段です。

 最初は小さな不安だったことが、いろいろと「よくない話」を聞くうちに恐怖に変わり、自分が理性的に判断できなくなったところを付け込まれるので、騙されてしまうのです。

 新型コロナウイルスや円安、世界各地での戦争、紛争など、今や誰もがつねになにかしらの不安を感じて生きています。