主要国の株式市場がほんの数週間で底辺から頂点へと急転することは珍しい。
中国が瞬く間に世界で最高のパフォーマンスを誇る株式市場になった今、投資家はこの株価上昇がどの程度、低迷する経済の立て直しに向けた中国政府の取り組み強化によるものか、またどの程度が単なる「FOMO(取り残される恐怖)」によるものかを見極める必要がある。投資家は慎重を期すべきだ。
MSCI中国指数はここ1週間ほどで約10%下落したとはいえ、中国政府が景気刺激策を積極的に打ち出す考えを示して以降の3週間の上昇率は約20%に達する。過去数年間は中国株の持ち高を縮小していた多くの投資家にとって状況の変化は驚くべきものとなった。中国市場は住宅市場の落ち込みや国内テクノロジー大手に対する規制強化が足かせとなってきた。