FRBのデータ依存、修正が必要Photo:Bloomberg/gettyimages

 投資家はまたしても米連邦準備制度理事会(FRB)にだまされた。市場がFRB高官らのハト派転換を織り込んでは肩透かしを食うといったことを7回繰り返した後、FRBはようやくハト派方向に大きくかじを切った。ところが米国債利回りは急上昇し、投資家は以前の想定よりも利下げ回数は減るとの見通しに傾いた。

 何が起こっているのか。

 答えは「データ依存」という言葉に要約できる。

 FRBは新たに入ってくるデータに基づいて政策判断を行う考えを示しており、特にインフレと雇用関連を重視している。ただ、こうしたデータはこれまでよりもはるかに変動が激しく当てにならなくなっているため、投資家は混乱し急激な方向転換を余儀なくされている。データは経済の弱さを示したかと思えば、その後、時には修正を経て強さを示すのがパターンになっている。