中国のコバルト支配に対抗 米はどう動いているか2018年当時、コンゴ民主共和国のコルウェジにあるシェマフ社のコバルト採掘施設では、フリーランス採掘者の報酬が現金で支払われていた
Photo: Alexandra Wexler Snow/WSJ

 バイデン米政権は、世界最大級の非中国系コバルト生産企業を買収することについてこの数週間で3社と協議した。事情をよく知る複数の関係者が明らかにした。米国はグリーンエネルギー革命に不可欠とされるコバルトを巡り、中国の世界的な支配力をそごうとしている。

 コンゴ民主共和国(旧ザイール)の鉱業会社シェマフを巡る協議は、ジェット戦闘機やドローンから電気自動車(EV)用電池に至るまで、あらゆるものに使われる金属の世界的な供給の確保を目指す米政府の取り組みの一環だ。

 コンゴは世界のコバルト供給量の75%近くを産出する。中国企業はこの10年余りの間に数十億ドルを投じ、コンゴで操業する米国や欧州の鉱業会社を買収してきた。これにより中国は、コバルトの生産と加工の両面で支配的な地位を占めるようになった。