内閣府の5月基調判断「下げ止まり」に上方修正、日本の景気拡大はいつまで続くかPhoto:PIXTA

6月に新たな自動車認証不正
ただし割合は年初の10分の1

 今年1、2月は、自動車メーカーの認証不正による出荷停止で自動車生産が大幅に落ち込み、生産活動全体でも水準を大きく下げていたが、出荷停止の解除で自動車生産が増加し、全体でも持ち直しの動きを示している。鉱工業生産指数は、2月をボトムに5月にかけて上昇基調となっている。

 景気と連動する代表的な10指標を合成した景気動向指数のCI一致指数も2月にボトムをつけており、3月以降、3カ月連続の上昇となっている。CI一致数の5月の上昇を受け、内閣府は基調判断を「下方への局面変化」から「下げ止まり」に上方修正した。

 6月に入ると自動車の新たな認証不正が明らかになり、対象となった車種のうち現行生産車種の出荷と生産が停止となった。しかし出荷・生産停止となった車種の規模は、先の不正に比べ相対的に小さい。先の不正の際の出荷・生産停止の車種は39車種で、23年の乗用車生産台数に占める割合は17%だった。一方、今回の出荷停止は6車種で、生産台数に占める割合は1.6%と10分の1弱の割合だ。